親父の一番長い日の1シーン

関東で働いている娘がいます。

去年の夏、彼氏を連れて遊びに来ました。
家族に紹介してくれたものの、主人は「ただちょっと付き合ってるだけだろ。すぐ別れるかもしれんし。」とぶっきらぼうでした。

今回は結婚の挨拶をしたいということで、訪ねて来ました。

スーツに身を包み、お土産の日本酒とチーズケーキを持って、緊張した面持ちで娘と共に玄関先に現れました。

そして、床の間に座り、主人と対峙して、緊張の中不器用ながらにも話し出しました。私は、彼のその真剣な気持ちと娘を大切に思う心が伝わり、不覚にもポロポロと涙が溢れました。

主人が彼の挨拶に応える番です。



その主人、言葉が詰まり、声が途切れました。


日頃より、娘の結婚相手は殴ると言ってたのに。沖縄空手の有段者の主人は正拳突きをするとも言ってたのに。

夫婦二人して、撃沈でした。



娘は3人兄弟の長女です。
この子が幼稚園の時に、同居していた義理母が倒れました。あまり構ってあげられず、いつも早く早くと急かして子育てしてしまったような気がします。

子育てと介護が同時になってしまい、そのイライラを長女に向けたこともありました。
私が毒親に育てられたので、反面教師にしようと思っても、つい私の機嫌で怒ってしまったり。
反省がいっぱいの子育てでした。


その娘が素敵な結婚相手を連れてきてくれた。
二人の幸せを願うばかりです。
ありがとう。
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